米Facebookが現地時間2016年11月2日に発表した同年第3四半期(2016年7~9月)の決算は、モバイルが好調な伸びを見せ、市場予測を大きく上回る増収増益となった。

 売上高は70億1100万ドルで、前年同期と比べ56%増加した。米国会計原則(GAAP)ベースの純利益は同166%増の23億7900万ドル、希薄化後1株当たり純利益は同165%増の0.82ドルと、大幅に利益を拡大した。営業利益は31億2200万ドルで、同114%増加した。

 特別項目を除いた非GAAPベースの場合、純利益は31億6800万ドル、希薄化後1株当たり純利益は1.09ドル、営業利益は41億5600万ドルとなる。

 アナリスト予測の平均は売上高が69億2000万ドル、特別項目を除いた1株当たり純利益が0.97ドルだった(米CNETの報道)。

 主力である広告売上高は前年同期比59%増の68億1600万ドル。広告収入全体に占めるモバイル向け広告の比率は約84%で、前年同期の約78%から拡大した。一方、ソーシャルゲームのアプリ課金手数料などによる売上高は同3%減の1億9500万ドルだった。

 2016年9月の日間アクティブユーザー数(DAU)は11億8000万人で、1年前と比べ17%増加した。このうちモバイル経由のDAUは10億9000万人で同22%拡大。9月末時点の月間アクティブユーザー数(MAU)は同16%増の17億9000万人で、モバイル経由のMAUは同20%増の16億6000万人となった。

 Mark Zuckerberg最高経営責任者(CEO)は、「すべてのアプリケーションにわたって“動画ファースト戦略”を進めており、10カ年の技術ロードマップを遂行している」と述べた。

 好調な決算内容だったが、総売上高と広告収入の伸び率は前期(関連記事)からわずかに減速している。英Financial Timesの報道によると、David Wehner最高財務責任者(CFO)は、ニュースフィードに掲載できる広告数が限度に達しつつあるため、2017年半ば以降は広告収入の成長率が下降するとの見方を示した。

 Facebookはビデオを次の成長手段と位置づけ、ビデオサービスに注力しているが、テレビ広告の収入を獲得することは、印刷広告から収入を奪うより困難だろうと、米Wall Street Journalは指摘している。

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