ITベンダーのクラウドエースは2016年11月1日、設立と営業の開始を発表した。クラウドエースは、米グーグルのクラウドサービス「Google Cloud Platform(GCP)」の導入を専業として手掛ける。代表取締役に就任した吉積礼敏氏は、「GCPの日本リージョンの開設が年内にあり、事業拡大が見込めることから専業として新会社の設立を決めた」と説明する(関連記事:Googleクラウドが日本上陸、大企業攻略の勝算とは )。

 クラウドエースは、吉積氏が代表取締役を務めていたITベンダーである吉積情報の一部門として2014年7月から事業を開始。GCPの販売や運用、支払代行などの業務を行っていた。吉積情報はGCPのほか、G Suite(旧:Google Apps)の導入支援サービスなどを手掛けている。

 今回クラウドエースが吉積情報の100%子会社として独立。吉積氏が吉積情報の代表取締役を退いて、クラウドエースの代表取締役に就任した。吉積氏はクラウドエースの代表取締役と、吉積情報の取締役CTO(最高技術責任者)を兼務する。

 今後の事業展開について吉積氏は、「GCPにおける実績や協業先が豊富にあることや、GCPの資格取得者を多数抱えていることをアピールしていきたい」とする。

 当面はGCPの強みでもある機械学習系のサービスに注力していく見込みだ。機械学習を利用した画像分析サービスの「Vision API」や、音声認識サービス「Speech API」などについて、「既に問い合わせが豊富に来ているので、使いやすい形で顧客に提供できるようにしたい」(吉積氏)とする。

 設立時の従業員は5人で、「GCPの開発のみを数年経験しているメンバーで構成している」と吉積氏は説明する。今後は出資を受け入れるなどして、事業拡大を目指していく。