伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2016年11月1日、2016年4~9月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比6.4%増の1758億1700万円、営業利益は同51.9%増の88億8900万円と増収増益だった。組織再編を実施した事業セグメントで利益率が改善した。

伊藤忠テクノソリューションズの2016年4~9月期決算発表の様子
伊藤忠テクノソリューションズの2016年4~9月期決算発表の様子
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 取締役兼副社長執行役員の松島泰CFO(最高財務責任者)は「前年同期は不調だったが、2016年4~9月期は大幅増益を果たした。好調だった一昨年の同期(2014年4~9月期)と比較しても二桁(の営業利益)成長で良い決算だった」と話した。実際、2014年4~9月期の営業利益と比べて11.3%の増益となった。

 「流通・エンタープライズ事業」セグメントの売上高は前年同期比19.4%増の594億9900万円。コンビニ向け店舗システムや商社向け開発などの大型案件が増収をけん引した。

 同セグメントは、2016年4月1日付けで「流通システム事業グループ」と「エンタープライズシステム事業グループ」が統合した「流通・エンタープライズ事業グループ」が主にサービスを提供している。菊地哲代表取締役社長は「組織再編は順調に進んでいる。成績も良い」と話した。CTCが公開している資料によると、流通・エンタープライズ事業セグメントの税引前利益は前年同期から17億5300万円増えて19億7900万円となり、増益に大きく貢献した。

 「情報通信」セグメントもハードウエアの調達コストが低下し、増益に貢献したという。通信キャリア向けのネットワークなどインフラ構築サービスが好調で、売上高は前年同期比5.2%増の582億8500万円だった。

 「金融・社会インフラ事業」セグメントの売上高も前年同期比4.6%増えて、241億9100万円となった。メガバンク向けインフラ構築サービスや、決済関連のカード向け開発案件が堅調だった

 「公共・広域事業」セグメントと「その他」セグメントは減収だった。公共・広域事業セグメントは公益向けインフラ構築などが減少した。売上高は前年同期比8.4%減の153億2900万円。その他セグメントは海外事業会社の円換算した業績が、円高の影響で減収となった。売上高は同11.3%減の129億1500万円である。

 「ITサービス事業」セグメントの売上高は前年同期とほとんど変わらず、同0.1%増の55億9600万円だった。

 2017年3月期通期の連結業績予想は、売上高予想を前年同期比2.1%増の4000億円、営業利益を同7.4%増の300億円に据え置いた。