NTTコミュニケーションズは2016年10月31日、産業向けIoT(インターネット・オブ・シングズ)関連の勉強会を開催した。同社が三井化学と共同で取り組んでいる「化学プラント向けディープラーニング(深層学習)」やIoTのセキュリティなどを説明した。

左から三井化学の十河信二生産・技術本部エンジニアリングセンター設備技術グループPSE技術チームチームリーダー、NTTコミュニケーションズの伊藤浩二技術開発部担当課長、同社の境野哲技術開発部IoTクラウド戦略ユニット経営企画部IoT推進室兼務担当部長IoT・エバンジェリスト
左から三井化学の十河信二生産・技術本部エンジニアリングセンター設備技術グループPSE技術チームチームリーダー、NTTコミュニケーションズの伊藤浩二技術開発部担当課長、同社の境野哲技術開発部IoTクラウド戦略ユニット経営企画部IoT推進室兼務担当部長IoT・エバンジェリスト
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 勉強会では三井化学で生産・技術本部エンジニアリングセンター設備技術グループPSE技術チームチームリーダーを務める十河信二氏が登壇。両社は共同で、ガス製品の原材料やプラントの運転状況などのデータをディープラーニングで解析し、プラントの異常予知やセンサーの故障検知に役立てる技術を研究開発している(関連記事:「BtoBへと広がるディープラーニングを見せた」、AWARD 2016の大賞はNTTコミュニケーションズが受賞)。

化学プラントで製造するガス製品の品質を予測する技術を共同開発した
化学プラントで製造するガス製品の品質を予測する技術を共同開発した
(出所:NTTコミュニケーションズ)
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 十河氏は両社の共同研究の目的を、「最新のAI(人工知能)やディープニューラルネットワーク(多層構造のニューラルネットワーク、ディープラーニングはディープニューラルネットワークを使った機械学習)技術の評価」と説明。十河氏は十数年前にもディープニューラルネットワークの活用を試みたが、当時は「学習用データの作成に手間がかかり、製造プロセスの変化に応じた予測モデルの再作成が面倒だった」と話した。

 今回の共同研究を同氏は「過去の問題点が解消されており、確実に技術の進歩と将来性を感じた」と評価。実用化については「国内に5カ所ある工場など、各拠点の情報をネットワークで一元化する基盤の構築が先。共同研究の実用化は数年先を見据えながら、現在は基盤構築の検討を始めたところ」と話した。