NECは2016年10月31日、2016年度上期（4～9月）の連結決算を発表した。減収減益で、売上高は前年同期比8.3％減の1兆2011億円。営業利益は大幅に落ち込み、前年同期比80.3％減の37億円にとどまった。
2016年度第2四半期（7～9月）の営業利益は前年同期比71億円増で337億円と好調だったが、第1四半期（4～6月）の低調な業績が響いて大幅な減益となった格好だ。
決算発表の場で同社の新野隆代表取締役執行役員社長兼CEO（最高経営責任者）は「官公庁や金融などの好調なIT投資を受けて、業績は少しずつ回復している」との見解を示した。
2016年度の連結業績予想は据え置き、売上高は2015年度比2.0％増の2兆8800億円、営業利益は同9.4％増の1000億円のままとした。川島勇取締役執行役員常務兼CFO（最高財務責任者）は2016年度下期の業績を「慎重に見極めなければならない」と話した。
スマートエネルギー事業が足引っ張る
セグメント別にみると、「エンタープライズ」セグメントのみ増収増益だった。売上高は前年同期比5.8％増の1552億円、営業利益は前年同期から33億円増の132億円だった。製造業のIT投資が堅調に推移したという。
「パブリック」セグメントは売上高は前年同期比16.0％減の2821億円で、営業利益は前年同期から10億円減の134億円だった。不採算案件による損失が前年同期より50億円改善したものの、前年同期のような大型案件がなかった反動が響いた。
「テレコムキャリア」セグメントの売上高は前年同期比13.8％減の2829億円、営業利益は同85億円減って43億円だった。海外の通信事業者の設備投資が低調だったことに加えて、円高が影響したとした。
「システムプラットフォーム」セグメントは前年同期比2.3％減の3398億円、営業利益は同14億円減って78億円だった。前年第1四半期のハードウエア関連の大型案件の反動が出たという。
「その他」セグメントの売上高は前年同期比6.8％減の1411億円、営業損益は同47億円減って72億円の赤字だった。携帯電話端末事業をシステムプラットフォームセグメントに移管したことに加えて、蓄電池などを含む「スマートエネルギー事業」が不調だった。スマートエネルギー事業の従業員のうち15％を別事業に再配置するとした。
