米Amazon.comは中国で現地時間2016年10月28日に、有料会員プログラム「Prime」を開始した。米Wall Street Journal米Recode米CNET米Bloombergなどの海外のメディアや通信社が報じた。

 それによると、中国におけるPrimeの年会費は388元(約57米ドル、約6000円)で、米国の年会費である99ドルより安く、日本の年会費である3900円よりも高い。ただし2017年2月末までは期間限定で、年会費が188元(約28米ドル)になるキャンペーンを実施する。

 中国版Primeでは現在のところ、映画/テレビ番組や音楽のストリーミン配信といったデジタルコンテンツの配信サービスは付かず、サービスは追加料金なしで利用できる配送特典のみとなる。この配送特典には2種類ある。1つは約900万点の国内商品の配送サービスが使い放題になる特典。もう1つは400万点の外国商品の配送サービスが使い放題になる特典。ただし後者は1回の注文金額を200元(約30米ドル)以上にする必要があり、配達されるまでの日数は5~9日かかる。

 このほか、中国のPrime会員には同国の規制によりさまざまな制約があるとWall Street Journalなどは伝えている。たとえば同国では海外の商品をオンラインで購入する際、1回の取引額は2000元(295米ドル)までとなり、年間購入金額の上限は2万元となる。

 なおAmazonは今年7月にPrimeをインドで開始しており、中国は12カ国目となる。同社はこのほか、米国、日本、カナダ、英国、スペイン、イタリア、フランス、ベルギー、ドイツ、オーストリアでPrimeを提供している。