米IDCは現地時間2016年10月28日、バッテリーの過熱および発火でリコールとなった韓国Samsung Electronicsのスマートフォン「Galaxy Note7」に対する消費者の反応について調査した結果を発表した。それによると、Samsungは短期的に厳しい状況に立たされるものの、長期的なブランド評価への影響は小さいという。

 調査は、現在Samsung製スマートフォンを使っている人、過去にSamsung製スマートフォンを使っていた人、Samsung製端末を使ったことがないスマートフォン所有者の合計1082人の米国消費者を対象に、SamsungがGalaxy Note7の生産中止を決定(関連記事)した後に実施した。回答者には、24人のGalaxy Note7ユーザーが含まれる。

 Galaxy Note7ユーザーのうち半数は、米Appleの「iPhone」にすでに乗り替えているか、あるいは乗り替える意向を示した。17%は、別のSamsung製デバイスを選ぶと答えた。

 一方で、回答者の過半数が、将来スマートフォン以外のテレビや家電といったSamsung製品の購入を検討する際に、今回のリコールは影響しないと答えたという。

 また、Galaxy Note7のリコール措置について、否定的な印象を抱いている回答者は少なく、大半が「どちらともいえない」あるいは「好ましい」と答えた。驚いたことに13%が、調査の時点でリコールについて知らなかった。

 IDC携帯電話部門担当リサーチマネージャーのAnthony Scarsella氏は、「来春登場すると見られる次期スマートフォン『Galaxy S8』が成功すれば、消費者はGalaxy Note7の失敗をすぐに忘れるだろう」と述べている。

 なお、Galaxy Note7が世界で250万台販売された中で、同調査の対象者に含まれるGalaxy Note7ユーザーがあまりに少ないため、「5割がiPhoneに乗り替える」との調査結果に米Tech Timesなどは疑問の声を投げかけている。

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