中国検索大手のBaidu(百度)が現地時間2016年10月27日に発表した同年第3四半期(2016年7~9月)の決算は、オンライン広告の不振が影響し、減収となった。英Reutersなど海外メディアによると、同社の売上高が前年実績を下回るのは初めてという。

 総売上高は182億5300万人民元で前年同期比0.7%減少した。営業利益は同11.0%増の27億8700万人民元、純利益は同9.2%増の31億200万人民元だった。米国預託株式(ADS)の希薄化後1株当たり利益は8.51人民元で、前年同期の7.92人民元から拡大した。販売および一般管理費を同36.9%縮小するなどコスト削減に努めた。

 総売上高のうち、モバイルによる売上高が64%を占めた。9月におけるモバイル検索の月間アクティブユーザー(MAU)は6億6000万人で前年から3%増加した。モバイル地図サービスのMAUは同7%増の3億4800万人だった。

 オンラインマーケティングによる売上高は164億9000万人民元で前年同期比6.7%低下した。アクティブな顧客数は約52万4000件で、同15.9%減少した。しかし顧客1件当たりの売上高は3万1300人民元と、同10.6%上昇した。提携パートナーに支払った手数料(TAC)は25億9400万人民元で、総売上高に対する割合は14.2%だった。

 2016年第4四半期(10~12月)の業績見通しについては、売上高が178億4000万~183億8000万人民元の範囲で、前年同期比4.7~1.7%減少すると予測している。

 Baiduを巡っては、がんを患った学生が、検索結果の上位に掲載された虚偽広告の治療を受けたために4月に死亡したことが明らかになり、非難の声が高まっている。また当局がオンライン広告の規制を強化し、Baidu検索への広告出稿が減少した(英BBCの報道)。

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