TISは2016年10月28日、2016年4月~9月期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比3.5%増の1890億2300万円、営業利益は同0.5%増の94億2300万円と、増収増益だった。顧客企業のIT投資が好調で売上高を伸ばしたが、大型の不採算案件が営業利益の伸びを鈍らせた。

 「金融ITサービス」セグメントの売上高は前年同期比6.3%増の400億5700万円だった。クレジットカードなど決済関連のIT投資が好調だった。桑野徹代表取締役社長は「2020年ごろまで決済関連で好調なIT投資が続くだろう」と話した。

桑野徹代表取締役社長(左)と取締役常務執行役員の柳井城作企画本部長(右)
桑野徹代表取締役社長(左)と取締役常務執行役員の柳井城作企画本部長(右)
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 同セグメントの営業利益は前年同期から23億4300万円減って5億2700万円の赤字だった。「2件の大型不採算案件が響いた」(桑野社長)という。「基幹システム刷新案件」と「情報系ソリューション導入案件」で、合わせて27億5000万円の損失だった。このうち情報系ソリューション導入案件は2016年7月~9月期に完了した。

 「産業ITサービス」セグメントの売上高は前年同期比5.8%増の901億8800万円、営業利益は同28.7%増の43億8300万円だった。電力自由化と、2017年4月のガス自由化の影響でエネルギー関連企業のIT投資が好調だった。

 「ITインフラストラクチャーサービス」セグメントの売上高は前年同期比1.4%増の619億3000万円、営業利益は同59.0%増の51億7900万円と増収増益だった。前年に買収した海外子会社の業績計上が貢献した。

 「その他」セグメントの売上高は前年同期比22%減の59億9400万円、営業利益は同54.9%減の5億2300万円だった。取締役常務執行役員の柳井城作企画本部長は減収減益の理由を「旧ITホールディングスからTISへ組織再編したためだ。全体の業績に影響はない」と話した。旧ITホールディングスでその他セグメントに計上していた純粋持株会社単体の業績を、TISへの再編に伴い「金融ITサービス」「産業ITサービス」「ITインフラストラクチャーサービス」の各セグメントに振り分けたため、減収減益になったという。