コンタクトセンターのシステム構築などを手がけるエス・アンド・アイ(S&I)は2016年10月28日、FAQ検索や顧客対応などに利用できるビッグデータ分析ソフト「IBM Watson Explorer Advanced Edition」(WEX)を、月額制のクラウドサービスとして提供開始した。料金は、分析対象データ10Gバイトの最小構成で月額23万円。

 WEXは、米IBMの質問応答システム「IBM Watson」製品群の一つで、コンタクトセンターのログなど各種のテキストデータを収集して検索できるようにする検索エンジン機能と、言語の意味を理解して視覚化することによって新たな知見を発見するテキストマイニング機能を組み合わせたソフトである。顧客の意見を迅速に把握したり、製品サービスの品質を定常的に改善したりといった用途に利用できる。

 S&Iは今回、小規模な企業でもWEXを導入できるように、WEXを月額制のクラウドサービスとして提供するとともに、契約単位を10Gバイトごとと細かくして利用料金を抑えた。クラウド基盤にはBluemix IaaS(SoftLayer)を利用する。この一方で、元々のWEXは売り切り型であり、最小構成となる分析対象100Gバイト時の価格は定価ベースで5000万円を超えるという。

 主にコンタクトセンターでの利用を想定している。多くのコンタクトセンターでは、コンプライアンスやクレーム対応を目的にエージェントと顧客の会話データを蓄積している。これらのデータに対してWEXを適用することによって、顧客の質問に対して適切な情報を導き出せるようになる、としている。