NECは2016年10月28日、スマートフォンなどの電子コンパス(地磁気センサー)を利用して屋内の位置情報を誤差2メートル以内の精度で測位する技術を開発したと発表した。GPS信号が届きにくい、建物の内部にいる対象者の位置を、ビーコンや無線LANよりも安価に測定できるという。2017年度中の事業化を目指す。

 仕組みは、地磁気センサーの計測結果を、あらかじめ建物内の様々な場所で計測しておいた計測結果と照らし合わせることによって、地磁気センサーの位置を割り出すというもの。建物の中では、場所によって地磁気の乱れが生じるという。ディープラーニング(深層学習)を使って、計測結果から地磁気の乱れの特徴を抽出する。

 NECでは、マイク一体型イヤホンを利用する生体認証技術で、人間の耳穴の形状によって決まる音の反響を利用する「耳音響認証技術」と組み合わせて使うことなどを想定している。これにより、地磁気センサーを持っているのが誰なのかが分かる。セキュリティーの高い設備内において、いつ誰がどこにいるのかを把握できる。