日本最大のMSO(複数のケーブルテレビ局の統括運営会社)であるジュピターテレコムのグループ会社のアスミック・エースは2016年10月27日、台湾の動画配信プラットフォーム「KKTV」と独占的調達エージェント契約を締結したと発表した。KKTVは、アジア最大の定額音楽聞き放題サービスを展開するKKBOXグループが2016年に開始した。

 KKBOXはKDDIの関連会社で、アジアで1000万超のユーザーを抱えるという。KKTVは、そのKKBOXが2016年8月に開始した月額見放題の動画配信プラットフォームである。アスミック・エースは、KKTVの日本におけるコンテンツ調達窓口として、KKTVが配信する日本の映像作品を台湾に紹介していく。

 アスミック・エースは、映画、アニメ、ドラマなどの映像作品を調達してVODサービスに提供するコンテンツ調達・配信事業を、映画製作・配給事業と並ぶ主力事業として展開している。「J:COMオンデマンド」、KDDI「ビデオパス」などに向けコンテンツを調達しており、加えてKKTV向けに日本コンテンツの調達を担うこととなった。台湾では、日本のコンテンツに対する需要は高いという。

図●事業展開イメージ(発表資料から)
図●事業展開イメージ(発表資料から)
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 J:COMのメディア事業は、17の専門チャンネルへ出資・運営するほか、アスミック・エースを通じ映画・映像作品の企画・製作や、コンテンツの調達・配信を行っている。今回の取り組みについてJ:COMは、アジアにおける映像コンテンツの調達・販売ルート形成の端緒と位置づけており、メディア事業の海外展開拡大を目指す方針である。

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