米Amazon.comは、クラウドベースの音声アシスタントサービス「Alexa」を同社のタブレット端末「Fire」シリーズの米国版で利用できるようにした。複数の米メディア(Wall Street JournalThe VergeCNETなど)が現地時間2016年10月26日までに報じた。

 これに先立つ今年9月、Amazon.comは8型タブレット端末「Fire HD 8」の最新モデルを発表し、その際、数カ月以内に同モデルを含む特定のFireタブレットでAlexaを利用できるようにすると説明していた。The Vergeなどの報道によるとAmazon.comは、今週から順次、無料のソフトウエアアップデートを開始しており、各端末にAlexaをインストールしている。対象となるのは今年9月に発売した新型Fire HD 8のほか、昨年9月に発売したFire HD 8と同10、価格が49.99ドルからの7型Fire(関連記事1関連記事2)。

 これらの端末がWi-Fi接続された状態でホームボタンを長押しすると、同社のスピーカー型アシスタント端末「Echo」などと同様に、Alexaに音声で命令し、音楽を流したり、Amazon.comのショッピングカートに商品を追加したり、サードパーティーのスマートホーム機器を操作したりすることができる。

 また、Fireタブレット版のAlexaでは、命令に応じてディスプレイにさまざまな情報を表示するため、ディスプレイを備えないEchoよりも便利な点があるとThe Vergeは伝えている。このほか「Voice Cast」と呼ぶEchoと連携する機能があり、Echoに対して命令した内容に応じた関連情報をFireタブレットに表示することもできる。

 Wall Street Journalのレビュー記事によると、現在のところFireタブレット版のAlexaは機能面で米Appleの「Siri」に後れを取っている。しかしAlexaはSiriと異なり、わずか50ドルの機器(7型Fireタブレット)で利用でき、価格競争力が高いと同紙は伝えている。