英BTは現地時間2016年10月25日、無料の公衆Wi-Fiサービス「LinkUK from BT」を発表した。ロンドン市内の主要な通りに、従来の公衆電話ボックスに代わって「Link」と呼ぶWi-Fiキオスクを設置する。高速Wi-Fi接続、通話、モバイル端末充電、各種デジタルサービスを提供し、運用費は広告収入で賄う。

 新サービスの展開に向けては、米ニューヨーク市の公衆Wi-Fiサービス「LinkNYC」に関わっている米Intersection、屋外広告販売の英Primesightと提携を結んだ。ニューヨーク市のLinkNYCでは2016年1月よりWi-Fiキオスク設置が進められている(関連記事:ニューヨーク市、公衆電話に代わる無料Wi-Fiキオスクがお目見え)。

 米メディアの報道(PCMagによると、Intersectionは、米Google傘下のSidewalk Labsの子会社。Sidewalk Labsは、都市の様々な問題を解決するための技術開発に取り組む新事業として、Googleが2015年6月に立ち上げた(関連記事:Google、都市生活の向上に取り組む「Sidewalk Labs」を設立)。

 Linkでは最大1Gビット/秒(bps)の高速Wi-Fi接続を無料で利用できるほか、携帯電話および地上回線による音声通話やモバイル端末の充電が行える。備え付けのタッチスクリーン搭載タブレット端末で地図情報や道順案内、地域サービスにアクセスできる。Link側面の55インチディスプレイに広告が表示される。

 BTによれば、Linkは公衆電話ボックスより様々な優れたサービスを提供できる上、設置面積が小さく、設置数も少なくて済むという。またLinkは各種センサーを内蔵し、大気汚染や騒音、外気温、道路状況などに関するリアルタイムデータを収集する。「地域コミュニティー向けの新たなIoTベースのスマートサービスに役立つ可能性がある」としている。

 カムデン・ロンドン特別区に最大100カ所設置し、向こう数年間でセントラルロンドンと他の国内主要都市に少なくとも750基を導入する予定。

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