日立製作所は2016年10月26日、オールフラッシュストレージ「VSP F1500」の販売開始を発表した。昨年11月から販売する「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP) Fシリーズ」の最上位モデルの位置づけ。「今後のデータ活用は基幹システムとの連携が鍵を握る。増え続けるデータに対し高速処理を実現すると同時に、圧縮・重複排除機能でデータ保管のコストを下げる」。日立製作所 ICT事業統括本部 ITプロダクツ統括本部 企画本部長の山本康友氏は、ハイエンド製品を投入した狙いをこう話す。

写真●日立製作所のVSP F1500
写真●日立製作所のVSP F1500
提供:日立製作所
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 VSP F1500は、従来のハイエンド製品「VSP G1000」の後継に当たる。「ストレージコントローラを機能強化し、性能をG1000の1.6倍の4.8MIOPSに引き上げた」(日立製作所 ICT事業統括本部 ITプロダクツ統括本部 プロダクトビジネス本部 国内テクニカルサポート部 担当部長の前田宏幸氏)。

 フラッシュモジュールのみを搭載するVSP F1500に加え、フラッシュとHDDの混載が可能な「VSP G1500」も用意した。フラッシュは、SSDのほか、日立が開発する「Hitachi Accelerated Flash DC2(HAF DC2)」も選択可能。今回、HAF DC2を大容量化した14TBモジュールをラインアップに加えた。

 SSDとHDDに向けて圧縮機能と重複排除機能を新たに開発。VSP全製品が利用する制御機能「Hitachi Storage Virtualization Operating System(SVOS)」に搭載して提供する。「新規にデータを書き込む場合はポストプロセスで、いったん圧縮されたデータの上書きはインラインで処理する」(日立製作所 ICT事業統括本部 ITプロダクツ統括本部 企画本部 広報部 技師 印南雅隆氏)。HAF DC2は、独自のデータ圧縮機能を元々備える。これとSVOSの重複排除機能の併用で、同社によれば、従来比5分の1以下にデータ容量を減らせたという。  

 既存ストレージからフラッシュストレージへの移行を促すため、導入前アセスメントサービス「Hitachi Virtualized Storage Assesment service」を強化。導入したフラッシュストレージの変調をプロアクティブに把握する稼働診断「プロアクティブ稼働診断サービス」も提供開始する計画だ。

 参考構成での価格は、VSP F1500が2億2223万4000円~、VSP G1500が3億4803万6000円~である。