米IBMは現地時間2016年10月19日、教育機関向けのiOSアプリケーション「IBM Watson Element for Educators」を発表した。IBMのコグニティブコンピューティングシステム「Watson」を利用した「iPad」対応アプリケーションで、幼稚園~高校(K-12)を対象にする。

 IBMは2014年に米Appleと合意した提携に基づき、iOSアプリケーション「IBM MobileFirst for iOS」を企業向けに多数展開しているが、教育機関向けは今回が初めてとなる。

 Watson Element for Educatorsは、教師が各生徒について大局的視野で指導できるよう支援する。教師は個々の生徒の興味や特技、学力、出席率、態度、学習活動といったさまざまなデータをもとに、それぞれの生徒のニーズに対応しながら、最大限の成果を引き出すことができる。

 同アプリケーションは、Watsonと自然言語処理(NLP:Natural Language Processing)技術を統合した教師用Webツール「Watson Enlight」と連係し、各生徒に合った学習コンテンツを提案する。例えば、ある生徒が代数の授業で苦労してる場合、より視覚的で、その生徒が興味のバスケットボールと関連づけたコンテンツを提示する。

 すでにテキサス州のコッペル独立学区がWatson Element for Educatorsを導入しており、Appleは学校向けサービスの一部として同アプリケーションを提供していく計画という。

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