NECは2016年10月18日、慶應義塾大学病院が2018年3月に完成させる新病院棟の院内ネットワークを、SDN(ソフトウエアデファインドネットワーク)で構築したと発表した。従来のネットワークでは電子カルテなどの診療のシステムと基礎研究のシステムが分かれていたが、新病院棟ではこれを統合する。

 新病院棟のネットワークは、2015年8月に敷設した。SDN製品として、NECのOpenFlowコントローラー「UNIVERGE PF6800」を2台、OpenFlowスイッチ「UNIVERGE PF5000シリーズ」を8台設置した。慶應義塾大学病院では、2020年までに従来のネットワークをすべてSDNで構築する計画という。

 慶應義塾大学病院はこれまで、診療に使って患者の個人情報を扱う病院ネットワークと、研究に使う医学部ネットワークが、それぞれ別のネットワークとして構築されていた。これに対して新病院棟では、病院ネットワークと医学部ネットワークをSDNを使って統合した。

 二つのネットワークを統合したことによって、基礎研究と臨床医療を連携させやすくなり、医師の利便性が高まる。例えば、電子カルテや、基礎研究で使うシステムに対して、場所を問わずに随時目的のネットワークに接続できるようになる。