ECM(エンタープライズコンテンツ管理)ソフトやデジタルサイネージを手がけるトリムは、2016年10月19日から10月21日にかけて東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2016」において、高精細な画像をWebブラウザーで高速に閲覧できるようにする画像配信クラウドサービス「アラかんたん」を展示した。価格は保管データ容量10Gバイトで月額10万円から。ITpro EXPO 2016に合わせて10月19日に発売した。

高精細画像データをWebブラウザーで表示した。Webブラウザー上での表示に必要な低解像度のデータだけを転送する
高精細画像データをWebブラウザーで表示した。Webブラウザー上での表示に必要な低解像度のデータだけを転送する
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 HTML5対応のWebブラウザーがあれば、高精細で大容量の画像やPDF文書を高速に閲覧できる。大容量の元ファイルをダウンロードするのではなく、Webブラウザーで閲覧するのに合わせた解像度にリサイズした画像をストリーミング配信する仕組みとした。マウス操作やタッチパネル操作で画像の拡大や縮小も可能で、拡大や縮小の操作に合わせて、表示に必要な画像をそのつど転送する。

画像の一部を拡大した。拡大部分の拡大画像は、あらかじめ生成済み。これらのうちWebブラウザー上での表示に必要なデータを組み合わせて転送する
画像の一部を拡大した。拡大部分の拡大画像は、あらかじめ生成済み。これらのうちWebブラウザー上での表示に必要なデータを組み合わせて転送する
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 配信したい画像を登録すると、クラウド上では、画像を細かく分割してJPEG形式で保存する。つまり、1枚の画像を、小さなサイズのJPEG画像の集合体として管理する。これらの小さな画像ファイルのうち、Webブラウザー上での表示に必要なものだけを、WebSocket(ウェブソケット)の仕組みを使って配信する。これにより、実際の転送データ量が少ないにも関わらず、高精細な画像の任意の部分を拡大表示して閲覧できる。

 同社はもともと、アラかんたんと同様の画像配信技術を備えたソフトウエア製品として、オンプレミスで動作するECMソフトを提供してきた。このECMソフトの価格は600万円から。今回、ECMソフトの機能を大幅に省略し、画像配信技術を応用してクラウド型の画像配信サービスの形でサービス化した。展示ブースでは、タッチパネル付きの大型ディスプレイを使って、実際に来場者が高精細画像を拡大したり縮小したりできるようにしていた。