Personal Connected Health Alliance(PCHA)は、2016年10月19日から10月21日にかけて東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2016」で、加盟6社の製品やサービスについて展示している。

PCHA参加企業6社が製品やソリューション、サービスを展示
PCHA参加企業6社が製品やソリューション、サービスを展示
(撮影:大類 賢一)
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 PCHAは、健康管理を支援する国際なNPO(非営利団体)で、ヘルスケアに関連する機器とIT機器のの相互接続、互換性、安全性などに関する活動をしている。世界で約150社、国内の企業としては約40社が参加しているという。ガイドラインに準拠した機器などには「Continua」のロゴが付く。

 PCHA日本地域委員会チェアーの田上信介氏はPCHAの役割について、「ヘルスケアの製品やサービスを接続するには、データやプロトコルの標準化が必要。標準化をしないと、エンド・ツー・エンドの通信、例えばIoTデバイスからゲートウエイを経由してデータベースにデータを送る、といったことが実現できず、電子カルテなどでの活用が広がらない。PCHAは、チップや製品、ソリューション、サービスまで、さまざまなカテゴリで標準化を推進し、『つながるヘルスケア』を実現したい」と説明する。

ブースに展示されてるPCHAのコンセプト
ブースに展示されてるPCHAのコンセプト
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 ブースでは6社が製品やサービスについて展示している。エー・アンド・デイはBluetoothに対応した血圧計、体重計、体温計、歩数計を展示。これは被災地住人の血圧管理などにも利用されている。

 「震災後約1カ月で被災地に血圧計を設置し、大学病院の医師とも情報を共有。異常値があれば診療を受けるよう連絡するという体制を作った。これだけスピーディーにシステムを構築できたのは、PCHAのメンバーが連携してそれぞれの技術、製品、ノウハウを持ち寄ったからだ」(ブース担当者)。

エー・アンド・デイのBluetooth搭載のヘルスケア製品
エー・アンド・デイのBluetooth搭載のヘルスケア製品
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 コアは、工場で働く労働者の健康状態を“見える化”する「ヘルスケア見守りアプリケーション」を展示。危険場所への侵入、行動の異常などの検知、日々の健康状態の記録、周辺の温度や湿度の監視などの機能を持つ。

工場労働者の健康状態を監視する「ヘルスケア見守りアプリケーション」
工場労働者の健康状態を監視する「ヘルスケア見守りアプリケーション」
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 キーウェアソリューションズは、毎日の健康管理をサポートするサービス「健康からだコンパス ライフルート」を展示している。体重、血圧、血糖値などのデータと、運動や食事の履歴などのライフログをまとめて管理する。近日中提供予定のサービスとして、サポーターが健康についてアドバイスする機能も搭載する計画だ。

 インテルは、ヘルスケア製品などと連携できるIoTゲートウエイ製品、ルネサスエレクトロニクスはヘルスケア製品をIoT化する製品、東芝は低消費電力のBluetooth搭載製品向けチップなどを展示している。

 PCHAが対象とする領域は、予防的な健康管理、慢性疾患管理、高齢者の自立の3分野である。田上氏は「病気になった人だけが対象とは考えていない。未病の人も含めて、健康生活を維持するために支援したい」と語る。