データセンター事業者のIDCフロンティアは、2016年10月19日から10月21日にかけて東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2016」において、オールフラッシュ構成のプライベートクラウドやGPU(グラフィックス処理ユニット)を搭載した高性能サーバー環境など、同社が提供しているクラウドサービスの最新動向を展示している。

北九州データセンターのVR見学ツアーに行列ができている
北九州データセンターのVR見学ツアーに行列ができている
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 展示ブースの中心にあって最も来場者の関心を集めているのは、同社の「北九州データセンター」のVR(バーチャルリアリティー)見学ツアーである。ヘッドマウントディスプレイを付けると、データセンターにいるような視界が得られる。見たい方向に頭の向きを変えると水平方向と上下方向ともに映像が追随する。複数のヘッドマウントディスプレイに対して、体験待ちの行列ができていた。

 データセンターに設置する高さ50Uの特注ラックも展示してあり、来場者の注目を集めている。通常のラックは42Uなので、50Uのラックを設置することによって床面積当たりの集積量を増やせる。ラックの近くに立つと、高さがよく分かる。

高さ50Uの特注ラックを展示している
高さ50Uの特注ラックを展示している
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 クラウドサービスについては、パブリッククラウドサービス「IDCFクラウド」と、プライベートクラウドサービス「IDCFプライベートクラウド」の両方を展示している。

 操作可能なWeb管理コンソールを展示しているほか、直近のサービスとして、オールフラッシュ構成のプライベートクラウドと、ディープラーニングなどを想定したGPUコンピューティング環境を展示している。

オールフラッシュ構成のプライベートクラウドのストレージ性能をベンチマークして見せている。SSDを搭載したサーバー機とVMware Virtual SANを組み合わせている。1秒当たりのI/O処理数は約8万8000回
オールフラッシュ構成のプライベートクラウドのストレージ性能をベンチマークして見せている。SSDを搭載したサーバー機とVMware Virtual SANを組み合わせている。1秒当たりのI/O処理数は約8万8000回
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 オールフラッシュ構成のプライベートクラウドは、SSDを搭載したサーバー機と、分散型のストレージ仮想化ソフトである「VMware Virtual SAN」(VSAN)を組み合わせている。ブースでは、VSANのストレージ性能が分かるベンチマークテストを展示していた。1秒当たりのI/O処理数は約8万8000回を記録していた。

 GPUコンピューティングについては、米エヌビディアのGPUカードを展示していた。クラウドサービスでは、1台のGPUを占有する形で、1時間当たり400円で提供するという。ミドルウエアを含まないIaaS(インフラストラクチャーアズアサービス)なので用途は問わないが、主にディープラーニング(深層学習)などを想定している。

 クラウドの運用を自動化するサンプルとして、フィックスポイントの運用自動化ソフト「Kompira」を使ったデモも展示している。監視のアラートをトリガーにして担当者に電話をかける、といった処理を自動で実行できる。

 クラウドのパートナー企業を紹介するエリアでは、7社のパートナーが自社の製品サービスを展示している。具体的には、Elasticsearch(ログ分析)、データアーティスト(動画編集)、GitHub Enterprise(ソフトウエア開発支援)、シックス・アパート(CMS)、アイビーシー(性能監視)、オレガ(ストレージ仮想化)、フォースネット(VPN)、を展示している。