日本コンピュータ・ダイナミクスは、2016年10月19日から21日にかけて東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2016」において、高速検索基盤製品「Dynamic Search Engine」を出展。膨大な特許文書の中から目的のキーワードを含む文書を高速で検索する「全文検索」アプリケーションのデモを公開している。

日本コンピュータ・ダイナミクスのブース。画像認識や全文検索、ITを活用した創薬研究支援をテーマに同社のアプリケーションが紹介されている
日本コンピュータ・ダイナミクスのブース。画像認識や全文検索、ITを活用した創薬研究支援をテーマに同社のアプリケーションが紹介されている
(撮影=下玉利 尚明、以下同じ)
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 同社は1967年設立の独立系システムインテグレータ。今回、出展した高速検索基盤製品「Dynamic Search Engine」は、ITベンチャーのエイ・オー・テクノロジーズと電気通信大学が共同開発した情報検出技術「SLID(Search -Less Information Detection)」を基盤に開発したミドルウエアだ。

 膨大なデータを検索する際には、メモリー型プロセッサを搭載した独自開発のハードウエア「SOP.j」上でDynamic Search Engineを動かし全文検索を実行。その結果の表示にコンピュータのCPUを使用するという仕組みだ。「いわばコンピュータに搭載されているCPUとメモリー型プロセッサの役割を分担させることで、高速なデータ処理を実現した」(新ビジネス推進部の大島功士氏)。

 ブースでは、約2000特許にひもづく「何万、何十万もの膨大な文書」(大島氏)から、特定のワードとして「植物」を含む文書を全文検索するデモを披露していた。実際に検索ボタンを押してから、12の文書が検索されるまでにかかった時間はわずか0.109秒だった。

全文検索アプリケーションのデモの様子。ノートパソコンに接続されているのがメモリー型プロセッサを搭載したSOP.j
全文検索アプリケーションのデモの様子。ノートパソコンに接続されているのがメモリー型プロセッサを搭載したSOP.j
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 「Dynamic Search Engine」では全文検索ではなく、特定のキーワードの検索も実行できる。デモでは、「植物」をキーワードに指定し検索を実行。「0.016秒」で検索結果が示された。

検索結果の表示画面。キーワード検索では「全文検索と比較して検索する文書量が5分の1程度になる」(大島氏)という。検索時間が0.016秒にまで短縮された
検索結果の表示画面。キーワード検索では「全文検索と比較して検索する文書量が5分の1程度になる」(大島氏)という。検索時間が0.016秒にまで短縮された
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 日本コンピュータ・ダイナミクスは今後、研究機関や教育機関など、膨大な情報の高速処理が必要とされる分野に、「Dynamic Search Engineの採用を働きかけていく」(大島氏)という。価格は70万円(税別)からで、別途に利用者向けカスタマイズの費用などが発生する。