2016年10月19日から21日まで東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2016」でNTTコミュニケーションズは、同社が手がける最新のIoT(インターネット・オブ・シングス)関連ソリューションを一斉展示している。

写真1●化学プラントの製造時にガス製品の品質を予測する技術をデモンストレーション
写真1●化学プラントの製造時にガス製品の品質を予測する技術をデモンストレーション
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 まず目を引くのは、IoTと人工知能(AI)を組み合わせたデータ分析技術の展示だ。NTTコムは様々な企業と組んで産業別に最適なAIを開発している。展示ブースでは例えば、化学プラントの製造時にガス製品の品質を予測する技術をデモンストレーションしている。この技術は三井化学と共同で開発した。ディープラーニング(深層学習)機能を使ってプラントの運転状況を分析し、20分後の製品品質を予測する。プラントの運転効率を高める技術の開発につながるという。

 企業の営業車両などで集めたドライブレコーダーの映像を基に、AIを活用して人の飛び出す場面だけを抽出する技術も紹介している。交通事故の防止に向け、東京センチュリーリース系の日本カーソリューションズと開発した。既に共同実験を実施しており検出精度は約85%に達したという。

写真2●「Things Cloud」(仮称)の展示
写真2●「Things Cloud」(仮称)の展示
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 まだ正式には発表していない「Things Cloud」(仮称)の展示もある。交通やエネルギーマネジメント、ヘルスケアなど様々な分野のIoTアプリケーションを迅速に開発するための共通基盤だ。リアルタイム分析や端末管理、データの可視化といった共通機能をクラウド上に用意。外部の企業システムなどからAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)経由で使えるようにする。2017年3月までに提供予定だ。

写真3●生体情報を取得できる繊維「hitoe(ヒトエ)」で作ったウエア
写真3●生体情報を取得できる繊維「hitoe(ヒトエ)」で作ったウエア
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 このほかにもIoT関連の展示は多数ある。製造業の生産ラインのセンサー値をリアルタイムに収集・表示・分析する機能をクラウド経由で提供する「IoT Factoryパッケージ」や、営業車両の運行管理用の「Vehicle Manager」などだ。心拍数など人の生体情報を取得できる繊維「hitoe(ヒトエ)」で作ったウエアも実際にブースで見られる。建設現場の作業員などに着てもらい、データをクラウドに集めて分析し体調管理に役立てるソリューションを想定している。