米IBMが現地時間2016年10月17日に発表した同年第3四半期(2016年7~9月)の決算は、クラウドなど戦略的事業が好調でアナリスト予測を上回った。

 売上高は192億2600万ドルで、前年同期と比べ0.3%減少した。18期連続で前年実績に届かなかったが、ほぼ横ばいといえる減少幅にとどまった。

 米会計原則(GAAP)ベースの継続事業による利益は28億5400万ドル、希薄化後1株当たり利益は2.98ドルで、それぞれ前年同期の29億6200万ドル、3.02ドルから減少した。

 特別項目を除いた非GAAPベースの場合、継続事業による利益は31億4900万ドル、希薄化後1株当たり利益は3.29ドルとなる。

 アナリストらの予測は売上高が190億ドル、特別項目を除いた1株当たり利益が3.24ドルだった(米Forbesの報道)。

 事業別の売上高を見ると、ソリューションソフトウエアやトランザクション処理ソフトウエアを含むCognitive Solutions部門の売上高は42億3500万ドルで、前年同期から4.5%増加した。

 コンサルティングやビジネスプロセスアウトソーシング、アプリケーション管理などを含むGlobal Business Services部門は前年同期比0.4%減の41億9100万ドル。

 技術サポートサービスやクラウドインフラサービスなどを含むTechnology Services and Cloud Platforms部門は前年同期比2.4%増の87億4800万ドルだった。

 システムハードウエアやOSを手がけるSystems部門は、売上高が15億5800万ドルで前年同期比21.0%減少した。

 融資サービスなどを含むGlobal Financing部門は前年同期比7.9%減の4億1200万ドルだった。

 IBMはクラウドサービス、ビッグデータ分析、モバイル、ソーシャルネットワーク、セキュリティーを「戦略的必須事項(Strategic Imperatives)」と位置付け、収益率の高い事業への移行を図っている。これら事業の合計売上高は約80億ドルで前年同期比16%増加した。中でもクラウド事業は同44%増の約34億ドルを売り上げ、過去12カ月に約127億ドルを創出している。過去12カ月における戦略的必須事項の合計売上高は約318億ドルにのぼり、総売上高の40%を占める。

 また、2016年通期の業績見通しについては、非GAAPベースの1株当たり利益を13.50ドル以上とする従来予測を維持した。GAAPベースの予測は12.23ドル以上となる。

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