日本マイクロソフトは2016年10月17日、時間や場所の制約を受けずに働く「テレワーク」の推進キャンペーンを開始した。テレワークの事例を紹介するセミナーを賛同企業向けに開催したり、テレワークの生産性を高める施策を実験的に導入したりする。

 2016年10月21日までの5日間、「働き方改革週間2016」を実施する。同社は2011年からテレワークを導入し、2014年と2015年は賛同企業を募って「テレワーク週間」と呼んで活動していた。日本マイクロソフトの平野拓也代表取締役社長は名称を変えた二つの理由を、「一つはテレワークが生産性を上げるための取り組みだと強調するため。もう一つは日本政府が取り組む『働き方改革推進』と協調関係にあるとアピールするため」と説明した。

日本マイクロソフトの平野拓也代表取締役社長
日本マイクロソフトの平野拓也代表取締役社長
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 2014年に32社だった賛同企業は2015年に651社に増え、今年は833社に達した。「政府が働き方改革を推進する追い風もあり、当社の取り組みに関心が高まっている」(平野社長)。

「働き方改革週間2016」の賛同法人
「働き方改革週間2016」の賛同法人
(出所:日本マイクロソフト)
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 記者会見会場には「働き方改革推進会社」と書かれた看板を用意。政府の「働き方改革推進室」が掲げた看板を連想させるもので、日本政府との協調姿勢をアピールした。平野社長は「(現在の)IT市場規模はGDPの5%程度と見られるが、働き方改革推進(による追加IT投資)もビジネスターゲットとした市場規模は10~15%まで広がる」(同)と話した。

「働き方改革推進会社」と書かれた看板
「働き方改革推進会社」と書かれた看板
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 賛同企業は期間中、日本マイクロソフトから「Office 365 無料試用版3カ月」の提供や「テレワーク向けデバイス」の貸し出しといった支援を受けたり、働き方改革に取り組む企業が講演するセミナーに参加できたりする。日本マイクロソフトはテレワークを実践した企業にアンケートを実施し、後日結果を発表する。2015年のテレワーク週間では、「テレワーク導入で20%以上の利益増が期待できる」と回答した企業の割合が25%だったという。

 日本マイクロソフト自身も同週間中、テレワークの生産性を高める施策を実験的に進める。顧客との打ち合わせにテレワークを実践する1人以上の従業員がSkype for Businessで参加したり、資生堂と協力して開発したアプリ「TeleBeauty」を日本マイクロソフトの100人の女性社員が試用したりする。同アプリはSkype for Businessでビデオ電話をする際に、化粧をしているように映像をリアルタイムで加工する。在宅で仕事をする女性が化粧をする手間を省けるという。

■変更履歴
記事掲載当初、平野拓也社長の役職を代表執行役社長としていましたが、正しくは代表取締役社長です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2016/10/24 16:38]