米Twitterの買い手候補として最後に残っていた米Salesforce.comが買収見送りを決定し、Twitterの身売り交渉は事実上終了したと、複数の海外メディアが現地時間2016年10月14日に報じた。

 Twitterは先月末、身売りを検討していると米CNBCに報じられ、買い手候補としてSalesforce.comや米Google、米Apple、米Microsoft、米Walt Disneyなどの名前が挙げられた(関連記事1:Twitterが身売り検討中か、近く買収提案受ける可能性/関連記事2:Twitterの買い手候補にDisneyの名前が浮上、Microsoftも検討か)。

 しかしSalesforce.comのMarc Benioff最高経営責任者(CEO)は今回、英Financial Timesのインタビューに応じ、「我々はこの件から手を引いた。様々な理由からTwitterは我が社に合致しない」と述べた。Salesforce.com以外で買い手候補と見られた企業はいずれも、買収に関心がないことをすでに明らかにしている。

 関係筋によると、Benioff氏は少なくとも10月12日時点では買収を検討していた。Benioff氏は今月初め、Twitterを「磨かれる前の宝石」と呼び、買収への意欲を示している。しかし米Fidelity Investmentsをはじめとする株主から買収に異議を唱える電子メールやメッセージがSalesforce.com幹部に送られ、Benioff氏は10月14日までに買収を断念することを決定した(米New York Timesの報道)。

 身売りの可能性がなくなったTwitterは、自力で事業を立て直さなければならない。「Vine」や「MoPub」といった事業閉鎖や人員削減などの対策が考えられる。

 同社は2016年第4四半期に大幅な業績改善を示せなければ、来年、正式な売却手続きか深刻なコスト削減を迫られるだろうと見る米SunTrust Banksのアナリストの意見を、米Wall Street Journal(閲覧には有料登録が必要)は紹介している。

 Twitterは2016年第2四半期に約1億ドルの赤字を計上し、平均月間アクティブユーザー(MAU)は前期からわずか1%増にとどまった(関連記事:TwitterのQ2決算は赤字縮小、ユーザー伸び悩み売上高が予想に届かず)。同社は10月27日に第3四半期の決算を発表する。