米HP Inc.が今後3年間で3000~4000人の従業員を削減する計画だと、複数の米メディア(ForbesNew York TimesTechCrunchなど)が現地時間2016年10月13日に報じた。コスト削減が目的だとしている。

 HP Inc.は、米Hewlett-Packard(旧HP)が2015年11月に分社化したことにより誕生した。旧HPのパソコンおよびプリンター事業部門をHP Inc.が、法人向け事業部門を米Hewlett Packard Enterprise(HPE)が引き継いでいる。

 HP Inc.のDion Weisler最高経営責任者(CEO)は米証券取引委員会(SEC)に提出した書類の中で、「新HPとしての1年目の進展を誇らしく思う。当社の戦略に自信があり、確かな利益とキャッシュフローを引き続き生み出せると信じている」とする一方で、「我々の市場は依然としてたいへん厳しい」と述べている。

 同社はすでに3000人を削減する計画を明らかにしているが、これは2016年末までに完了する予定。さらなる人員削減により、2020年以降に2億~3億ドルの年間コスト削減を見込む。ただし、人員削減に伴う費用2億ドルを含め、3億5000万~5億ドルの経費を計上する見通し。

 HP Inc.はパソコンやプリンター市場の需要低下で苦戦しており、Weisler CEOは、よりハイエンドなパソコン、企業向けプリンター、3Dプリントシステムなどを販売することで収益性を確保したい考えだという。