アマゾン ウェブ サービス ジャパンとセールスフォース・ドットコムは2016年10月13日、クラウドサービス提供における協力体制の強化について発表した(写真1)。両社サービスを組み合わせたシステム開発の支援や、パートナー同士の連携促進などの施策を実施する。
米セールスフォース・ドットコムは2016年5月25日(米国時間)、「Sales Cloud」など同社の主力SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)のITインフラストラクチャーに「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」を採用すると発表済み(関連記事:Salesforceが主力サービスのITインフラにAWSのクラウドを採用)。今回の発表は両社の日本法人が先行して協業を進めるというものだ。
セールスフォース・ドットコム マーケティング本部 プロダクトマーケティング シニアディレクターの御代茂樹氏は、「特にIoT(インターネット・オブ・シングス)関連の案件で、顧客から我々のサービスとAWSのストレージサービスなどを連携したいといった声が多かった」と、協力体制強化に至った要因の一つを語る。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン パートナー アライアンス本部 本部長の今野芳弘氏も、「顧客からIoTやビッグデータ関連でクラウドをより速くビジネス拡大に活用したいという要望が増えている」と話す。
両社の協業はSaaSを持たないAWSと、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)やビッグデータ関連などのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)を強化したいセールスフォースにとって、互いの長所を生かし短所を補うものだ(写真2)。
今回の協力体制強化では、両社のサービスを組み合わせたシステム開発を支援する拠点として、クラウドデザインセンターを設置した(写真3)。「初期はお互いに5人ずつ核となる技術者をクラウドデザインセンターに置く。両社のサービスを連携したレファレンスアーキテクチャーの作成や、パートナー育成の仕組みを作りたい」(セールスフォース・ドットコム 常務執行役員 アライアンス本部 本部長の手島主税氏)。