日本オラクルは2016年10月12日、新しい「SPARC S7」プロセッサを採用したサーバー製品群とクラウドサービスを発表した。

 今回発表したのは、ローエンドのサーバー製品「SPARC S7-2」と「SPARC S7-2L」、通信業界向けの「Netra S7-2」、S7-2を使った「MiniCluster S7-2」、IaaSの「SPARC Model 300」である。

 SPARC S7は、動作周波数4.27GHz、8コア/64スレッドのプロセッサ。SPARC M7と同じコアを使った廉価版という位置付けだ。「ソフトウエア・イン・シリコン」という設計思想で作られており、オラクルデータベースのアクセラレーション機能である「DAX」や、ソフトウエアのバッファ利用を制御する「Silicon Secured Memory(SSM)」といった機能を搭載する。また15種類の暗号化をサポートする暗号化ユニットを備える。

写真1●日本オラクル 執行役員 クラウド・システム事業統括の山本 恭典氏
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写真1●日本オラクル 執行役員 クラウド・システム事業統括の山本 恭典氏

 同日開催した発表会で、執行役員 クラウド・システム事業統括の山本 恭典氏は、「ローエンドサーバーを提供することにより、低コストでソフトウエア・イン・シリコンやSSMといったセキュリティを加速させていく。これまで『SPARCはちょっと』と言っていた業種の顧客から引き合いが来ており驚いているが、セキュリティ意識の高まりだと考えている」と説明した(写真1)。

 CPUの搭載数は、SPARC S7-2が合計8または16コア、SPARC S7-2Lが16コアである(写真2)。最小構成の参考価格(税別、初年度サポート費用を含む)は順に132万円から、186万円から。MiniCluster S7-2は、合計32コアのSPARC S7 CPUを搭載する小・中規模向けのエンジニアド・システム(ソフト・ハード一体型製品)。参考価格は1548万円(同)。

写真2●SPARC S7-2(右)とSPARC S7-2L(左)
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写真2●SPARC S7-2(右)とSPARC S7-2L(左)

 SPARC Model 300は、300のSPARC M7コア、32TBのストレージ、Solarisをパッケージした専用ハードウエアを、クラウドサービスとして提供するものである。参考価格(税別)は年額4500万円程度または月額379万円程度。

 このほか、NEBSスタンダードに準拠し、ほこりや振動、熱などに関して厳しい条件でも動作可能にした通信業界向けの「Netra S7-2」も発表した。最小構成の参考価格(税別、初年度サポート費用を含む)は173万円から。