シマンテックは2016年10月12日、SOHOや個人に向いたパッケージ版のウイルス対策ソフト「ノートン セキュリティ」の新版を発表した。10月13日に発売する。新版では、シグネチャーを使わずにマルウエアや不正な攻撃を検知・防御する新機能として、エクスプロイト対策、エミュレーター、機械学習の三つの機能を追加した。
新機能の一つ、「PEP」(プロアクティブエクスプロイトプロテクション)は、OSやアプリケーションの未知の脆弱性を突く不正な攻撃を検知して防御する機能である。これにより例えば、バッファーオーバーフローなどのメモリー破壊型の攻撃を検知できる。脆弱性を突く不正プログラム集であるエクスプロイトキットによる典型的な攻撃パターンに対して特に有効という。
新機能の「エミュレーション」は、パソコン環境をエミュレートした仮想的な環境でファイルを動作させ、外部サーバーとの通信など、その振る舞いや結果をもとにマルウエアを検知する。実際にコードを動作させて検出するため、難読化や暗号化などの手法を用いて不正なコードを隠したマルウエアに対しても有効である。
もう一つの新機能「マシンラーニング」は、米シマンテックが機械学習によって自動生成したマルウエア検知アルゴリズムを使い、マルウエアを検知する。アルゴリズムは1000パターンほどあり、ウイルス対策エンジンに組み込まれている。エンジン自体をバージョンアップするタイミングで、より改良されたアルゴリズムに更新する。
シマンテックで執行役員ノートン事業統括本部統括本部長を務める正木敏博氏はノートン セキュリティについて、「簡単に使えるソフトであり、軽快に動作するソフトだ。難しそうと感じている人に対して、安心して使えることを伝えたい」と力説。新ブランドキャラクターとして、「ノートンは、いつもそばで守ってくれる」をテーマに、ドラえもんを起用した。
価格はオープン。市場予想価格(8%消費税込み)は、「ノートン セキュリティ プレミアム」(1年間/3デバイス)が6998円、「ノートン セキュリティ プレミアム」(3年間/3デバイス)が1万4342円。「これまでは5デバイス版を販売してきたが、3デバイス版としたことで購入しやすくした」(シマンテック)。