韓国Samsung Electronicsは現地時間2016年10月11日、自主回収および交換を行っていた最新スマートフォン「Galaxy Note7」について、提携キャリアらに対して交換と販売を停止するよう呼びかける声明を発表した。一方で、複数の海外メディア(米New York Times米CNET英Reutersなど)は関係筋の情報として、同社がGalaxy Note7の一時生産中止を決定したと報じている。

 Galaxy Note7は、8月19日にリリースされるとバッテリー過熱や発火などの不具合報告が相次ぎ、9月2日に自主回収プログラムが発表された。バッテリーの製造不備が原因とされ(関連記事:Samsung、「Galaxy Note7のリコールはバッテリー不備」と当局に説明)、9月後半より新品との交換が行われていた。

 しかし先週、交換後のGalaxy Note7が米Southwest Airlinesの旅客機内で発煙し、乗客が一時避難する事態が起きるなど、交換済みGalaxy Note7によるトラブルが複数報告された。米AT&Tや米T-Mobileは10月9日にGalaxy Note7の販売および交換停止を発表。米Verizonと米Sprintもこれに倣った。オーストラリアでもTelstra、Optus、Vodafone AustraliaがGalaxy Note7の出荷停止を決定している。

 この時点でSamsungは、「提携キャリアの決断を尊重する。当社は現在、入念に当局や外部専門家と協力しており、詳しいことが分かり次第報告する」と述べていた。

 関係者筋によると、Samsungは韓国や米国および中国の消費者安全当局と協力する中で、顧客の安全を考えて10月10日に生産停止を決定した。Samsungは韓国当局に「一時的にGalaxy Note7の生産スケジュールを調整している」と報告したという。

 Samsungは今回の声明で、「当局と協力して詳細な調査を進めている間、世界のすべての提携キャリアおよび販売事業者に、Galaxy Note7の販売および交換を中断するよう求めるつもりだ」と述べた。ユーザーに対しては、交換前および交換後のいずれのGalaxy Note7もただちに電源を切って使用を中止するよう促している。

[発表資料へ]