米Appleは、現在異なる場所に散らばっている同社の各種インターネットサービスのグループを1つの敷地に集める計画だと複数の米メディア(The VergeMacRumorsなど)が現地時間2016年10月6日までに米Bloombergの報道を引用して伝えた。

 それによると、「Siri」や「Maps」「iCloud」「Apple Pay」「Apple News」、「iTunes」と「Apple Music」の一部は現在、Appleのインターネットソフトウエア&サービス担当上級バイスプレジデントであるEddy Cue氏が統括している。しかしこれらは、カリフォルニア州のクパチーノやサニーベールにあるオフィス集積地のそれぞれの場所で開発されている。そこで、Appleはこれらを同社の現社屋があるインフィニット・ループ・キャンパス内にまとめる計画だという。

 Bloombergによると、現行の事業環境はソフトウエアバグや開発遅延の一因となっている。それぞれのチームを1つの場所に集めることで、サービス事業の成長を加速させ、米Googleや米Amazon.comなどのライバルに対抗すると、事情に詳しい関係者は話しているという。

 またAppleは、クラウドサービスのバックエンドシステムを、コードネームで「Pie」と呼ぶ内製の単一システムに移行する計画だという。これにより同社はサービス事業の強化を図る。すでに「Siri」「iTunes Store」「Apple News」の一部は、新システムへの移行が始まっている。今後同社は数年かけて「Maps」を含むほかのサービスも新システムに移行する計画。このほかAppleは「McQueen」と呼ぶ内製の写真ストレージシステムを開発している。同社は、徐々にGoogleやAmazon.comへの依存を減らし、やがては自前のシステムに切り替える計画という。

 Appleは最近、元米Time Warner Cable(TWC)の幹部、Peter Stern氏をクラウドサービス部門のバイスプレジデントとして雇い入れるなど、この分野に注力しているとBloombergは伝えている(関連記事:Appleがケーブル大手の元幹部を採用、Webテレビサービス計画に再注力か)。