セブン&アイ・ホールディングス(7&i)と、エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)は2016年10月6日、資本業務提携の基本合意書を締結したと発表した。H2Oが推進するポイントサービス「Sポイント」を関西圏のセブン-イレブン店舗に導入することなどを合意書に盛り込んだ。

 7&iは「Sポイントの導入に向けたシステム改修を行う。関西圏のセブン-イレブンではSポイントの獲得・利用の両方に対応する。導入時期は今後の協議で詰める」(広報センター)と説明する。

 Sポイントは、H2Oが推進している関西圏の地域ポイントサービス。H2O傘下の「阪急百貨店」「阪神百貨店」「イズミヤ」での買い物や、阪急阪神東宝グループ傘下の阪急電鉄、阪神電気鉄道などの鉄道・バス利用でポイントを獲得したり、利用したりできる。公共交通機関の利用でポイントがたまるのが「Tポイント」や「ポンタ」といった共通ポイントとの大きな違いである。

 H2Oは関西圏のセブン-イレブンにもSポイントを導入することで、Sポイントの地位向上を図る。7&iは関西圏の流通で大きなシェアを持つH2Oと組むことで、このエリアでの顧客獲得を強化する。コンビニ大手ではローソンはポンタに、ファミリーマートはTポイントに加盟しているが、7&iは共通ポイントには加盟せず独自の「nanacoポイント」を普及させる方針だった。関西圏に限ってはSポイントを導入する方針に転換する。

 基本合意書では、7&iが運営するそごう神戸店(神戸市)、西神店(同)と西武高槻店(大阪府高槻市)の百貨店3店舗に関する事業をH2Oが承継することも盛り込まれた。7&iは「とりわけ苦戦の続く百貨店事業における資源再配分の実現を目指して、関西エリアで圧倒的なマーケットシェア拡大を目指すH2Oグループと関西エリアにおける『戦略的なビジネスパートナー』としての関係を構築する」と説明している。

 また、両社の関係を強固なものにするために、H2Oの発行済株式の3%相当の金額(約57億円)の株式を互いに持ち合う方向で協議する。H2Oの大株主は2016年3月末時点で阪神電気鉄道(出資比率11.95%)、阪急阪神ホールディングス(8.38%)、高島屋(5.07%)の順で、7&iによる株式取得が実行された場合、同社はH2Oの第4位株主になる。