米連邦捜査局(FBI)が米国家安全保障局(NSA)の元契約社員を機密情報窃盗の疑いで逮捕していたと、複数の米メディア(New York TimesForbesCNETなど)が現地時間2016年10月5日に報じた。

 逮捕されたのは米メリーランド州グレンバーニーに住むHarold Thomas Martin III容疑者(51歳)で、政府の業務を請け負う米コンサルティング企業Booz Allen Hamiltonに勤めていた。Booz AllenはすぐにMartin容疑者を解雇し、当局の捜査に協力している。

 2013年に米政府の大規模監視活動を告発したEdward Snowden容疑者も、Booz Allenの社員だった。

 捜査当局および情報当局の幹部からの情報によると、FBIは、中国、イラン、北朝鮮、ロシアなど外国政府のネットワークをハッキングするために開発されたプログラムのコードを、Martin容疑者がNSAから盗んだかどうか調べていたという。

 2016年8月に、NSAの監視ツールに使われていたものだとするソースコードが、「Shadow Brokers」を名乗るグループによって公開される事件があった。

 FBIは同月、Martin容疑者の自宅と車の中に、政府の極秘情報を含む書類とデジタルデータを見つけ、押収した。Martin容疑者は、政府財産の窃盗、機密書類の無許可の移動および保有などの容疑で起訴されている

 なおMartin容疑者が問題のソースコード流出に関わっているかどうかは、現時点で明らかになっていない。