米グーグルは2016年10月4日(現地時間)、新製品発表会を開催し、Androidスマートフォンの新製品「Pixel」や、VRプラットフォームDaydream対応のヘッドセット「Daydream View」を発表した。

 なお、いずれの製品も米国などでの発売を発表したが、日本での発売予定については言及しなかった。

「モバイルファースト」から「AIファースト」へ

 発表会には、米グーグルCEO(最高経営責任者)のスンダル・ピチャイ氏が登壇。「我々は、モバイルファーストの世界からAIファーストの世界へと移行している」と切り出した(写真1、2)。

写真1●米グーグルCEOのスンダル・ピチャイ氏
写真1●米グーグルCEOのスンダル・ピチャイ氏
(画像は米グーグルのライブ中継より、以下同じ)
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写真2●「モバイルファーストからAIファーストへ」と宣言
写真2●「モバイルファーストからAIファーストへ」と宣言
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 ピチャイ氏はグーグルが果たす役割について、「人々はあらゆる場所で、より自然な方法でコンピューターと対話するようになる。そのすべての人々に向けて、個々人に最適化された個人用のグーグルを提供することが目標だ」と語った。

 AIがもたらした最新の成果として、画像を認識して説明を生成する「Image Captioning」の精度は、2014年には89.6%だったものが現在では93.9%にまで上昇。「人間が見て認識するのに近い、劇的な向上だ」(ピチャイ氏)と評価した。具体例としては、「写真に写っている熊を数える」といった場合に精度が向上したことを示した(写真3)。

写真3●AIによる「Image Captioning」の精度向上
写真3●AIによる「Image Captioning」の精度向上
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 翻訳については中国語から英語への翻訳の例を挙げ、「AIの進化により、人の手による翻訳に近いレベルにまで達している」(ピチャイ氏)と説明。テキストの音声読み上げ機能でも、より自然な会話に近づいていることを示した(写真4)。

写真4●機会翻訳の精度も向上
写真4●機会翻訳の精度も向上
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 これらAIの進化は5月のイベント「Google I/O 2016」で発表したグーグルの人工知能bot「Google Assistant」にも反映されており、9月21日にリリースしたメッセージングアプリ「Google Allo」で利用できることを紹介。「Google Assistantをさらに活用できる2種類のデバイスとして、スマートフォンと家庭用スピーカーの新モデルを発表する」(ピチャイ氏)と語った。