営業力強化のコンサルティングなどを手掛けるNIコンサルティングは2016年10月31日、同社が開発・販売する営業支援システム「Sales Assist Intelligence」の新版の提供を開始する。新版の特徴は、人工知能(AI)を活用した電子秘書機能を搭載することだ。

 「当社が持つ、営業改善ノウハウを電子秘書機能に詰め込んだ。将来的に労働人口の減少が予想される中、AIの活用によって人手不足を解消することに一役買いたい。今回の電子秘書機能はその第一歩」と東海林一正取締役は話す。

 新版では、Sales Assist Intelligenceに蓄積された、顧客情報や案件(見込み)情報、商談履歴などのデータを自然言語処理を使って分析。その結果を基に、画面内に常駐する「電子秘書」が営業担当者や営業マネージャーなどに対して次に取るべき行動をアドバイスする。

画面●人工知能(AI)秘書機能を搭載した「Sales Force Assistant」
画面●人工知能(AI)秘書機能を搭載した「Sales Force Assistant」
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 例えば、顧客への訪問回数が多い割に顧客情報が不足しているとAIが判断した場合は、「○○社には何度か訪問されていますが、必要な情報収集が不足しているようです。ヒアリング漏れや登録漏れはありませんか?」などとアドバイスする。

 また、通常ならば成約できそうな条件がそろっているにも関わらず、受注できていない案件については、マネージャーに対して「○○さんが担当している『△△案件』が苦戦を強いられているようです。アプローチ方法についてアドバイスが必要かもしれません」といったコメントを表示する。

 アドバイスの内容が的確であるかどうかをユーザーがフィードバックすることによりAIが学習し、より適切な指摘をするようになるという。

 現バージョンでも電子秘書は表示されるが、AIによるアドバイス機能はない。現バージョンでは「あらかじめ登録していたスケジュールに基づいて、日時が近づくと電子秘書がコメントで警告する」といったものだ。「AIを搭載することで、電子秘書がより“気が利く”存在になった」(東海林取締役)。

 Sales Force Assistantはパッケージソフトとクラウドサービスで提供する。パッケージ版の既存ユーザーは2016年10月31日から追加料金なしでバージョンアップできる。クラウド版では2016年11月1日から新機能を使える。パッケージ版の価格は5ライセンス20万円(税別)から。ライセンス数に応じて保守費用が別途必要である。クラウド版の料金は1ユーザー当たり月額3500~4700円(税別)。