写真1●取締役執行役員専務 有料多チャンネル事業部門長の小牧次郎氏
写真1●取締役執行役員専務 有料多チャンネル事業部門長の小牧次郎氏
写真2●リニアチャンネル数の推移
写真2●リニアチャンネル数の推移
写真3●有料多チャンネル事業部門 カスタマー事業本部 IP事業部長の国武慎也氏
写真3●有料多チャンネル事業部門 カスタマー事業本部 IP事業部長の国武慎也氏
写真4●「レコメンドを超えるパーソナライズ」のイメージ
写真4●「レコメンドを超えるパーソナライズ」のイメージ

 スカパーJSATは2016年9月29日、報道関係者を対象とした「次期スカパー!オンデマンドアプリ体験会」を開催した。

 同社は2016年8月31日に、自社の動画配信サービスである「スカパー!オンデマンド」の新アプリを10月1日から提供すると発表していた。同アプリでは、多チャンネルサービスである「スカパー!」で放送中のコンテンツをインターネットを通じてリアルタイムで視聴したり、番組表を通じて放送済みのコンテンツの見逃し配信を視聴したりすることができる(関連記事へ)。

 取締役執行役員専務 有料多チャンネル事業部門長の小牧次郎氏は、新アプリを提供する背景などについて言及した(写真1)。これまでのスカパーJSATのオーバーザトップ(OTT)サービスに対する取り組みについて、「試行錯誤の段階だった」とした。様々な検討をした結果、「スカパーJSATは時間軸に沿って動画コンテンツを提供するチャンネルの形でOTTサービスを展開することを決断した」という。

 さらに「リニア型サービスのほうが見られる量は多いという経験則がある」「人々が時間軸に沿って生活している以上、リニアのほうが人間の生理に合ってるんじゃないかと考えている」とした。このほかに番組表に沿ってコンテンツを手がける多チャンネルサービスを展開するスカパーJSATがリニア型のOTTサービスを展開する点について、「『リニアサービスの本命現る』と考えてほしい」とアピールした。

 スカパー!オンデマンドにおけるリニアチャンネル(放送の同時再配信チャンネル)の数は2016年8月時点で38チャンネルで、10月には50チャンネルにまで増える見込み(写真2)。小牧氏は、「これからもリニアチャンネル数をどんどん増やす。速やかにスカパー!のすべてのチャンネルがスカパー!オンデマンドのアプリ上で視聴できるという状態にしたい」と意欲を見せた。

 有料多チャンネル事業部門 カスタマー事業本部 IP事業部長の国武慎也氏は、次期スカパー!オンデマンドのコンセプトの一つとして、「レコメンドを超えるパーソナライズを実現する」を挙げた(写真3、写真4)。これを実現するため、次期スカパー!オンデマンドアプリでは、「Myパレット」というユーザーの契約状況に沿ってコンテンツを画面上に表示する機能を搭載している。

 国武氏は、「アプリのユーザーが視聴契約を結んだチャンネルに基づいてパーソナライズを行う。スカパー!のチャンネルは専門放送であり、そのチャンネルの中はユーザーが見たいコンテンツで満たされている」「チャンネル契約情報に基づくコンテンツの提示は、ある意味レコメンドを超えたパーソナライズではないかと思っている」とした。そのうえで、「350万加入者一人ひとりの契約パターンを出し分けることが可能な今までにないユーザーインターフェースを実現し、スカパー!のサービスを伝送路を問わず利用できる『新しいスカパー!視聴体験』の提供を進めていく」とした。

 次期スカパー!オンデマンドアプリの詳細については、有料多チャンネル事業部門 カスタマー事業本部 IP事業部 OTT事業チーム長の相良正樹氏が説明した。「Myパレット」のデモを実施するなどして、同アプリの特徴をアピールした。