MAMORIO(ホームページ)は2016年9月27日、テレビ朝日と共同で2016年8月8日~11日にかけて紛失防止IoTタグ「MAMORIO」などを活用した放送機材管理の実証実験を実施し、成功したと発表した。

 MAMORIOはKDDI主催のスタートアップアクセラレートプログラム「KDDI∞LABO」の第10期採択チームであり、2016年4月~9月にテレビ朝日を含むサポート企業の支援を受けている。テレビ朝日は、MAMORIOへの支援の一貫として、紛失防止IoTタグ「MAMORIO」の応用について実験協力した。

 テレビ朝日では、各地へのロケ時に放送機材の積み残しや個数確認にかかる工数の多さが課題となっており、この課題を解決する方法を探していた。放送機材管理の実証実験は、この解決法として実施した。

 実験は2016年8月8日~11日に、テレビ朝日本社や各ロケ現場で実施した。放送機材用のジュラルミンケース30個内に「MAMORIO」を同梱し、スマートフォンアプリ上で、カゴ台車内に必要な放送機材が積まれているかどうかを確認するテストを実施した。また、「MAMORIO」のネットワークを利用して各放送機材の位置追跡を実施した。

 実験の結果、全ての実験場所で、全ての「MAMORIO」を検知することに成功し、放送機材の積み込み確認を簡便に行うことができたという。また、位置情報も確認できたことで、万が一の積み忘れ時には、積み忘れした場所を瞬時に把握することが可能であることも確認した。

 「MAMORIO」は、世界最小級のIoTタグで、落し物防止IoTタグとして実績があるという。「MAMORIO」はBluetooth Low Energy(BLE)を採用するが、BLEは、電波特性や受信に関する挙動の観点から不安定で、物流業界などで多くの利用実績を持つRFIDなどと比較して物品管理などには不向きと言われていたという。今回のシステムは、「高精度のBLE検知能力を持つ「MAMORIOアプリ」のエンジンを応用した専用アプリを、新開発の開発者向けキット「MAMORIO SDK」を使って構築した」と説明する。

 物品管理にBluetoothを用いた技術を応用することにより、「従来のRFIDを活用した方式と比較した場合に受信用端末として一般的なスマートフォンなどが利用可能となるため、柔軟性の高いシステム構築が低コストで実現可能となる」と、この実験の成果を位置付ける。