米Googleはインド・ニューデリーで現地時間2016年9月27日に開催したイベントで、同国をはじめとする携帯電話のデータ通信速度が遅い市場に向けた取り組みやサービスを発表した。

 同社は1年前にインド国内の鉄道駅に無料の公衆無線LANを設置するプロジェクトを発表した。今回はこれを拡張し、ショッピングモールや路線バスの停留所、カフェなどさまざまな場所にWi-Fiスポットを設置する取り組み「Google Station」を始める。今後同社は商業施設の運営企業や通信事業者、各種インフラ企業と提携し、高速で安全なWi-Fiスポット設置に必要なソフトウエアやハードウエアの手引きを提供する。

 Googleが2015年9月に開始した鉄道駅の無料Wi-Fiプロジェクトでは、2016年末までに100駅でのサービス展開を計画しており、将来は400駅への拡大を目指している。Googleによると、現在は約50駅に無料Wi-Fiが設置されており、その月間利用者数は350万人に上るという(関連記事:インドの鉄道400駅に無料Wi-Fiを Googleが協力表明)。

 Googleはこのほか、低速通信環境に対応したYouTubeアプリ「YouTube Go」やニュースアプリ「Google News & Weather」、オフラインや低速通信時でもコンテンツを素早く閲覧できるAndroid用「Chrome」ブラウザー、Wi-Fi接続時に人気コンテンツの情報を読み込んだり、Wi-Fi接続時のみアプリをダウンロードするよう設定できる「Google Play」アプリをまもなくリリースすることも明らかした。
 
 また同社は、今月リリースしたメッセンジャーアプリ「Google Allo」のアシスタント機能を年内にヒンディー語に対応させる予定。Google Alloにはチャット中にGoogle Assistantを利用できる機能や、チャットの内容に応じて返信メッセージを提案する機能「Smart Reply」がある。現在英語のみに対応しているこれらの機能をヒンディー語でも使えるようにするとしている(関連記事:Google、AIベースのメッセージングアプリ「Allo」など発表)。

[Googleインド公式ブログへの投稿記事]