ヤフーは2016年9月27日、2016年10月1日に移転する新本社を報道関係者に公開した。新本社は、東京・千代田区の東京ガーデンテラス紀尾井町内に設ける。オフィス設計に当たって重視したのは、「イノベーションを生み出す」こと。そのために、フリーアドレス制を導入する、あえて“歩きにくい”レイアウトを採用する、社外の人が自由に使えるスペースを設ける、などの工夫を盛り込んだ(写真1)。

写真1●ヤフー新本社の執務スペース
写真1●ヤフー新本社の執務スペース
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 「イノベーションとは、既存のものを組み合わせて新しいものを生み出すこと」。本社移転のプロジェクトを率いる、ヤフー 副社長執行役員 最高執行責任者の川邊健太郎氏は話す(写真2)。無から有を生み出すのは“発明”で、ハードルは高い。だがイノベーションは、異なるものの出合いによって実現できる。これを促進するため、「情報やアイデアの交差点を各所に作った」(川邊氏)。

写真2●ヤフー 副社長執行役員 最高執行責任者の川邊健太郎氏
写真2●ヤフー 副社長執行役員 最高執行責任者の川邊健太郎氏
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 まず、従来の固定席を廃止してフリーアドレスに転換。各自が、12フロアある執務スペースのどこでも仕事ができる体制にした。さらに机の配置はあえて、ジグザグにした(写真3)。

写真3●ジグザグに配置された机
写真3●ジグザグに配置された机
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 このレイアウトでは、オフィス内を移動しようとすればどこかの机に突き当たる。「あえて歩きにくくすることで、いろんな人との“摩擦”が生まれるようにした」(川邊氏)。異なる部署や役職の社員が日常的にコミュニケーションを重ねることで、これまでにないアイデアを創出する狙いだ(写真4、写真5)。

写真4●床に座って仕事ができる空間。通常と目線が変わることで発想が豊かになるという
写真4●床に座って仕事ができる空間。通常と目線が変わることで発想が豊かになるという
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写真5●一人で集中したいときのための席も設けられている
写真5●一人で集中したいときのための席も設けられている
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