KDDIは2016年9月26日、拠点同士やデータセンターを仮想スイッチのように閉域接続するネットワークサービス「KDDI Wide Area Virtual Switch 2」(WAVS2)において、2017年3月からクラウド対応を強化すると発表した。

KDDI Wide Area Virtual Switch 2の強化点
KDDI Wide Area Virtual Switch 2の強化点
(出所:KDDI)
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 WAVS2の特徴の一つが、アクセス回線の契約速度に関係なく、拠点からデータセンターへの通信に限って帯域をLANインタフェースの上限までバースト的に拡張する「トラフィックフリー機能」である(関連記事:次期VPNで攻勢かけるKDDI)。拠点間の通信はアクセス回線の契約速度で頭打ちとなるが、拠点からデータセンターへは高速に通信できる。

 これまでは、トラフィックフリー機能の対象として帯域を拡張できるデータセンターは、KDDIのデータセンター「TELEHOUSE」や提携データセンター、KDDIのクラウド基盤「KDDI クラウドプラットフォームサービス(KCPS)」に限られていた。

 今回新たに、トラフィックフリー機能を「トラフィックフリー機能II」へと刷新した。Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなどのクラウドサービスへの通信や、ユーザーが任意に指定した事業所向けの通信についても帯域を拡張できるようになった。

 トラフィックフリー機能IIではさらに、帯域の拡張上限であるLANインタフェースの速度を、最大100Mビット/秒から最大300Mビット/秒へと広げた。より高速にデータセンターに接続できるようになった。

 KDDI Wide Area Virtual Switch 2の強化ではまた、クラウドサービスに対する閉域接続の上限帯域を、これまでの100Mビット/秒から最大1Gビット/秒にまで拡張した。

 すべてのアクセス回線において、アクセス回線帯域の変更やルーティング、アクセス制御などを、Webブラウザーから設定できるようにした。「クラウド上に構築した仮想マシンの増減に合わせて利用する帯域を変更したい」といった需要に対応できる。