radikoと日本民間放送連盟ラジオ委員会は2016年9月26日、新たなラジオ番組の聴取スタイル「タイムフリー聴取機能」と新しい聴取文化「シェアラジオ」の実証実験を開始すると発表した。リスナー拡大によるラジオ業界の発展を目指す。

 タイムフリー聴取機能は、radikoが開発した新機能で、「ラジオ番組放送後、過去1週間に限り、いつでも後から好みの番組を聴取できる」ようになる。10月11日から実験を開始する。

 この機能は無料・非登録制で利用できるようにした。これまでラジオに馴染みのないラジオノンリスナーの獲得を目的の一つとしているため、誰でもすぐに使えることを最優先に考えたと理由を説明する。

 各番組には聴取可能時間という仕組みを取り入れることとし、「3時間」と設定した。ある一つの番組を選んで、その番組を再生を開始した段階(再生ボタンを押した瞬間)から、3時間が経過するまでの間、聴取することができる。この仕組みを取り入れた背景について、「この実証実験は日本初の試みとなることから、この範囲内で各方面の権利者に理解と協力、支援をいただいている」と説明する。

 シェアラジオは、民放連ラジオ委員会が推進してきた。リスナーの拡大、特に若年層に対するラジオのアピールに向けて、「一人で楽しむラジオ」から「友人と共有しながら楽しむシェアラジオ」を提唱する。お気に入りの番組を友達にソーシャルメディアを通じて知らせたり、共有することができる。その実現には、タイムフリー聴取機能が不可欠なことから、radikoと日本民間放送連盟ラジオ委員会は、これらの新機能の実現に向け力を合わせてきたと経緯を説明する。

 シェアラジオにおけるシェアの手段は、TwitterとFacebook、LINE。メールを使って知らせることも可能。誰かにシェアしたい番組(時点)があると、ラジコの聴取画面にあるシェアボタンを押すことで、SNSやメールなどを通じて、その時点のURLをシェアできる。シェアされた側は、その時点から番組を再生できる。もちろん、その番組に興味を持ち、頭から再生するといった使い方も可能である。

 今回の実証実験は、新機能に関連する各種検証を実施する期間と位置付けている。項目として、利用者数や利用者数にともなうシステム構築規模(サーバーの負荷など)の把握や、ラジオ番組を構成するコンテンツがどのように利用されて、どのように拡がっていくのかなど、今後予想される課題を抽出し、どう解決していけば本番運用に移行できるのかといった内容を挙げる。

 なお、民放連ラジオ委員会はシェアラジオを推進するため、特別番組「サントリー天然水presents宇多田ヒカルのファントーム・アワー」を全国のラジオ局で放送する。

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