米Microsoftは現地時間2016年9月26日、年次イベント「Microsoft Ignite」において、クラウド事業に関する米Adobe Systemsとの戦略的提携を発表した。

 Adobeは「Marketing Cloud」「Creative Cloud 」「Document Cloud」といった一連のクラウドサービスの推奨プラットフォームとして「Microsoft Azure」を採用する。

 一方Microsoftは、CRMとERPを統合した「Dynamics 365 Enterpriseエディション」の推奨デジタルマーケティングソリューションにAdobeのMarketing Cloudを指定する。

 Adobeはこれまで主要なクラウドプラットフォームとして米Amazon.comのAmazon Web Services(AWS)を使用していた。Microsoftとの提携は非排他的であるため、Adobeは引き続きAWSを利用すると見られる(米Business Insiderの報道)。

 またMicrosoftとAdobeは、マーケティングおよびビジネスアプリケーション向けの標準化データモデルの構築でも協力する。人工知能(AI)、機械学習、高度分析などの技術を取り入れて共同開発する同データモデルは、サードパーティーの開発者やパートナーに加え、顧客企業とも共有する方針という。

 さらにMicrosoftは、次世代コネクテッドサービスの開発に向けてルノー・日産アライアンス(フランスRenaultと日産自動車の協業)と複数年にわたる提携で合意したことも明らかにした。

 ルノー・日産アライアンスは、Microsoft Azureをベースにした高度なナビゲーション、予知保全、遠隔操作や遠隔診断、OTAアップデートなどを導入することで、乗車体験の向上を図るとしている。車中での仕事、娯楽、あるいはSNS利用をサポートする新たなアプリケーションやサービスの開発および提供に取り組む。

 ルノー・日産アライアンスは2020年までに、自動運転技術を10モデル以上に実装することを目指している。

 そのほかMicrosoftは、次期サーバーOS「Windows Server 2016」の一般提供を10月に開始することなども明らかにした。

[発表資料(1)]

[発表資料(2)]

[発表資料(3)]