米AppleはiPhone向けに提供している、健康・フィットネス関連のソフトウエアフレームワーク「HealthKit」の改良に向けた取り組みを進めていると、複数の米メディア(Computerworld9to5MacMacworldなど)が現地時間2016年9月26日、米Bloombergの報道を引用して伝えた。

 これに伴い、同社は数多くの専門家を雇い入れているという。例えば米製薬大手Merck & Co.出身で、長年Appleのコンサルタントを務めていたStephen Friend氏は今年6月に常勤社員となった。Apple出身で米Flipboardの共同設立者であるEvan Doll氏は7月にAppleに復帰し、健康関連ソフトウエアエンジニアリング部門のディレクターを務めている。またGoogle傘下のNest Labsで技術部門の責任者を務めていたYoky Matsuokaは昨年Appleの健康関連技術チームに加わった。

 このほかAppleは今年8月、健康情報の管理・共有技術を手がける米Gliimpseを買収したと伝えられたが、同社の設立メンバーの1人であるMohan Randhava氏は現在、Appleの健康関連部門でシニアエンジニアの役職に就いている(関連記事:Apple、健康情報の管理・共有を手がける米Gliimpseを買収)。

 AppleのHealthKitは、フィットネス機器や健康管理のアプリからデータを集めて共有する仕組み。これとiPhoneの健康管理アプリ「Health」(日本語の名称は「ヘルスケア」)を組み合わせることで、ユーザーは自身のデータをiPhoneやApple Watchで確認することができる。Bloombergによると、Appleの最終目的はHealthKitを、医師などの医療関係者や患者に役立つ本格的な診断ツールにすることだという。

 またAppleは現在、Apple Watch用の新たなアプリを開発しているとBloombergは伝えている。そのうちの1つは睡眠計。もう1つはより高度な心拍計。現在、Apple Watchには睡眠パターンを計測、分析する機能がない。またApple Watchには心拍数を測定する機能があるが、新たなアプリでは激しい運動を行った際の心拍数から安静時の心拍数に戻るまでの時間を計測し、より正確に健康状態を把握できるようにするという。