火力発電事業の東京電力フュエル&パワー(東電FP)は2016年9月26日、保有する火力発電所に、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の産業用IoT(インターネット・オブ・シングズ)プラットフォーム「Predix」を導入すると発表した。設備に取り付けたセンサーから収集したデータを分析して、発電効率を向上させる考え。IoT導入による効果を検証し、将来は火力発電事業者などへの外販を視野に入れる。

 東電FPは2016年10月1日から、富津火力発電所(千葉県富津市)にPredixを導入する(写真)。同社によれば、同発電所は国内最大級の規模。LNGを燃料とし、最大出力は504万キロワット。

写真●富津火力発電所
写真●富津火力発電所
(画像提供:東京電力フュエル&パワー)
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 導入するのは21基の発電設備のうち、3基。ガスタービンや蒸気タービン、発電機などに取り付けたセンサーから温度や稼働状況などのデータを収集。GEのデータセンターに送信し、分析する。運転状況を常時監視して、燃料の効率的な使い方や機器の異常検知などの実現を目指す。

 GEによれば、米国でPredixを導入した発電所では既に、発電効率を1~3%向上した効果を得られた事例もある。数億円単位でのコスト削減が得られる場合もあるという。

 東電FPは、東京電力ホールディングスグループの燃料・火力発電事業を担う事業会社。2016年4月のホールディングカンパニー制導入で、それまでの東京電力から、燃料・火力発電事業、一般送配電事業、小売電気事業の3事業に分割されたうちの一つである。