日本IBMは2016年9月26日、クレジットカード会社や信販会社とFinTechスタートアップ企業との連携を支援する、「FinTechカードAPI」を提供すると発表した。カード会社などは、汎用性の高いAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を外部企業に公開できるようになり、新しいサービス開発などを加速できるメリットがある。日本IBMはFinTech企業6社とAPIの仕様について合意し、10月に接続検証を始める。

 FinTechカードAPIは、カード利用明細やポイント照会、サービス利用状況照会といったカード会社のシステム機能を外部企業向けに提供するためのAPI群である。同社のAPI作成、管理、運用ソフトウエア「IBM API Connect」および「IBM DataPower Gateway」が提供する「OAuth」と連携させられる。APIの標準化を推進する「BIAN(Banking Industry Architecture Network)」方式に基づいており、FinTech企業が使いやすいAPIにしている点が特徴だ。

 今回、オービックビジネスコンサルタント、Zaim、TKC、freee、マネーツリー、マネーフォワードの6社とAPI仕様について合意した。10月から接続検証を実施。その後、カード会社や信販会社に対して、本格的にFinTechカードAPIを売り込む。

 日本IBMは2016年6月に、銀行向けに提供する「FinTech共通API」の接続検証を終えたと発表しており、導入を進めている銀行もあるという。今回のFinTechカードAPIは、この第2弾という位置づけ。今後、カードローン申込やリボ申込にも対応させる予定だ。

 カード会社によるAPI公開では、2015年8月にクレディセゾンが、会員情報連携用API「セゾンコネクト」をマネーフォワードに対して提供するなどの実績がある。