米Appleが開発していると、かねてうわさされている家庭用音声アシスタント機器は現在、試作機の試験段階に入っていると、複数の米メディア(9to5MacBusiness InsiderCNETなど)が現地時間2016年9月23日までに、米Bloombergの報道を引用して伝えた。

 報道によると、Appleが家庭用音声アシスタント機器のプロジェクトを始めたのは2年以上前のこと。同プロジェクトは、すでに初期の研究開発の段階を終えているという。Appleのエンジニアらは現在試作機を自宅に持ち込み、ひそかに実験を行っている。ただし、Appleはまだ計画の最終決定には至っておらず、プロジェクトは中断する可能性もあるとBloombergは伝えている。

 Appleが開発しているとされる音声アシスタント機器は、米Amazon.comの「Echo」などと同様に音声命令で家電製品などを制御できる。ただしAppleは、Amazon.comのEchoや、米Googleが年内に発売する予定の「Google Home」などと差異化するために、より先進的なマイクやスピーカーを導入する計画だという。

 また現在試験中の試作機のいくつかには顔認証センサーが搭載されているという。Appleはこれまで、モーションキャプチャー技術のスイスFaceshiftや、顔の表情分析技術を手がける米Emotientを買収したと伝えられた。これらの技術によって、室内にいる人やその人の感情の状態によって異なる対応をする機器が開発される可能性があるとBloombergは伝えている(関連記事1関連記事2)。

 さらにBloombergによると、Appleはこれとは別に、音声アシスタントサービス「Siri」の改良に向けた取り組みも始めている。これは社内で「Invisible Hand」と呼ぶプロジェクトで進められている。同社は3年以内にSiriの音声命令だけで、同社の各種機器を完全制御できるようにするシステムを実現させたい考えだとBloombergは伝えている。