日立製作所は2016年9月23日、インターネットバンキングから口座情報を入手するタイプのアプリケーションとインターネットバンキングをAPIでデータ連携させるサービス「金融API連携サービス」を発表した。アプリケーションにインターネットバンキングのID/パスワードを登録することなく、インターネットバンキングとデータ連携できるようになる。2017年2月にサービスの提供を開始する。

金融API連携サービスの概要
金融API連携サービスの概要
(出所:日立製作所)
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 口座残高などを管理する金融アプリケーションを開発している開発者に向けて提供する。金融アプリケーションは、金融API連携サービスが提供するWeb APIを介して口座情報を入手できる。

 インターネットバンキングに対するログイン認証は、金融アプリケーションを利用中のユーザーが、金融機関のWebサイト上で明示的に実施する。ユーザーはまず、金融アプリケーションにログインする。必要に応じて金融機関のWebサイト画面に切り替わり、金融機関のWebサイト上でログイン認証手続きを実行する。

 従来は、金融アプリケーションがユーザーに成り代わってインターネットバンキングにログインし、ログイン後のWebページを読み取って必要な情報を取得する“Webスクレイピング方式”が主だったという。この場合、インターネットバンキングのID/パスワードなどの認証情報をアプリケーションに登録しておく必要があり、セキュリティ面で課題があった。また、インターネットバンキングの画面の変更に合わせてアプリケーションの改修が必要になっていた。

 金融API連携サービスのビジネスモデルは、インターネットバンキングサービスを提供している金融機関から利用料をもらうというもの。価格は個別見積もり。日立製作所によれば、地方銀行を中心に国内のほとんどの金融機関が同サービスを利用するという。一方、API経由で口座情報を入手する金融アプリケーションサービス側は、無料でAPIを利用できる。金融機関は、日立製作所に依頼することによって、あるサービス事業者にAPIを使わせるか使わせないかを制御できる。

 既存サービスの利用状況に応じて、国内の金融機関であれば利用できる「銀行API連携サービス」と、日立が提供するインターネットバンキング共同センターサービス「FINEMAX(ファインマックス)」に加盟する金融機関向けの「FINEMAX API連携サービス」の2種類を提供する。