ネットワンシステムズは2016年9月23日、三菱重工エンジン&ターボチャージャの相模原地区第三工場に対して、工場の製造ラインを接続するネットワーク基盤を構築したと発表した。将来的に製造部品の計測データを活用していく際の基盤として活用する。同ネットワークは、2016年9月から稼働している。

ネットワンシステムズが三菱重工エンジン&ターボチャージャの相模原地区第三工場に構築したネットワークの構成
ネットワンシステムズが三菱重工エンジン&ターボチャージャの相模原地区第三工場に構築したネットワークの構成
(出所:ネットワンシステムズ)
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 三菱重工エンジン&ターボチャージャはこれまで、工場の製造ラインをネットワークで接続していなかった。製造部品の計測データは、生産機器の内部や、生産機器に接続したパソコンなどのローカル環境で保存していた。このため、計測データをリアルタイムに収集して活用することができていなかった。

 今回、計測データをリアルタイムに収集して活用できるようにするための基盤として、工場内の5種類の製造ラインを接続するネットワークを敷設した。さらに、工場外から計測データにアクセスできるように、ファイアウォールを導入して外部ネットワークと接続した。

 ネットワークは、米シスコシステムズの産業環境向けスイッチ「Cisco Industrial Ethernet(IE)シリーズ」を使って構築した。製造ライン内のネットワークは、コストを優先してスター型の構造とした。製造ライン間を接続するバックボーンネットワークは、機器障害時の停止時間をミリ秒単位に抑えられるようにリング型の構造を採用した。

 なお、三菱重工エンジン&ターボチャージャの相模原地区第三工場では、ターボチャージャ(燃費向上に寄与する過給機)の部品の切削、研削、検査、およびターボチャージャの組み立てを行っている。ターボチャージャの内部では1分間に20万回以上もの回転が発生することから、構成部品には高い精度が求められるという。製造品質の向上とトレーサビリティの観点から、製造する各部品の計測データを保存している。