米Appleが、マシンラーニング(機械学習)の技術を手がける新興企業を買収したと、海外のメディアや通信社(米TechCrunch米Bloomberg米AppleInsiderなど)が現地時間2016年9月22日までに報じた。

 Appleが買収したのは、インド中南部、テランガーナ州の都市、ハイデラバードに拠点を置いていたTuplejumpという企業。同社はビッグデータの分析、処理を迅速に行うための技術を手がけていた。事情に詳しい関係者の話によると、買収は今年6月に行われており、十数人いた従業員の多くはすでに米国西海岸に拠点を移している。また創業者の1人であるRohit Rai氏のLinkedInプロフィールページには、今年5月からAppleで働いており、現在はワシントン州シアトルで活動していると書かれている。

 AppleはTuplejumpの買収について正式な声明を出しいないが、広報担当者は「我々は時折、規模の小さな技術企業を買収するが、多くの場合その目的や計画については述べない」という、同社が企業買収を行った際に用いる定例の声明を出し、買収の事実を認めた。

 Appleがこの分野で企業買収を行ったのは今年に入って3度目だとBloombergは伝えている。同社は8月にマシンラーニングやAI(人工知能)技術を手がけるシアトルの新興企業、Turiを買収したと伝えられた。また1月には人の顔の表情を分析し、感情を読み取るAI技術の米Emotientを買収した。このほかAppleは、ディープラーニング(深層学習)を用いた画像認識システムを開発する米Perceptioや、音声認識技術を手がける英VocalIQを買収したとも伝えられている(関連記事:Apple、人工知能のスタートアップ企業を2億ドルで買収か)。

 AppleInsiderによると、こうしてAppleはこの分野で多額の投資を行っており、その一環として先ごろ、専門部署を設置した。そこでは、社内の各部署がマシンラーニングのソリューションを構築できるようにするツールを開発しているという。