全米レコード協会(RIAA)が現地時間2016年9月20日に公表した音楽販売統計によると、同年上期(1~6月)における米国の音楽売上高は小売りベースで34億ドル(約3458億円)となり、前年同期から8.1%増加した。この伸び率は1990年代後半以降で最大。有料の音楽ストリーミングサービスが急成長しており、CDなどの物理メディアや音楽ダウンロード販売の落ち込みを補ったという。

 2016年上期における米国音楽小売り販売の種類別売上高比率は、ストリーミングが47%、ダウンロードが31%、物理メディアが20%だった。これらの1年前の比率はダウンロード(40%)、ストリーミング(32%)、物理メディア(24%)の順だった。

 このうち2016年上期におけるダウンロード販売の売上高は10億ドルで、前年同期比17%減。物理メディア販売は6億7200万ドルで同14%減。一方でストリーミングサービスの売上高は16億ドルとなり、前年同期から57%増加した。

 ストリーミングサービスには(1)Apple MusicやTIDAL、Spotifyなどの有料サブスクリプションサービス、(2)PandoraやSiriusXMなどのインターネットラジオ/衛星ラジオ、(3)YouTubeやVEVO、無料版Spotifyなどの非サブスクリプション・オンデマンドサービスがあるが、いずれも売上高が増加した。

 とりわけ(1)の有料サブスクリプションサービスは、売上高が前年同期比112%増の10億1000万ドルとなり、半年間の売上高として初めて10億ドルの大台を突破したほか、ダウンロード販売と同水準になった。有料サブスクリプションの米音楽販売全体の売上高に占める比率は30%となり、これだけでダウンロードと物理メディア販売の落ち込みを補った。またその利用者数は1830万人となり、前年同期の910万人から2倍に増えた。

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